当サイトのテーマ『STORK19』はこちら

【VOO vs VYM】投資効率の比較と新NISAで買うならどちらが良いか考察

米国のS&P500に連動するVOOと米国高配当ETFの代表格であるVYM。

色々なブログやSNSでは資産の最大化を目指すのならVOOが有利と言われていますが、実際にどれくらい違うのか?

それから配当金目的でVYMを買うことは、どれくらい効率で劣るのか?を考えてみました。

新NISAでどちらを買うか迷っている方の参考になれば嬉しいです。

VOO、VYMの購入時手数料が無料




VOOとVYMとは?

VOOもVYMも世界最大規模の資産運用会社であるバンガード社のETFです。概要は以下の通り。

どちらも経費率は低く、違いは配当利回りと株価の上昇によるリターンの違いが主ですね。

VOOの概要

2024/1/24時点

VYMの概要

2024/1/24時点

VYMは高配当の企業に幅広く分散投資をしているETFです。

そのためGAFAMなど米国を代表するテクノロジー系企業の株式は成長株は無配または低配当なため、こうした成長企業はほぼ組み入れられていません。

過去の実績からVOOとVYMを比較

株価上昇率

引用:Trading Viewアプリ(2024/1/24時点)

この図はVOOとVYMの株価の比較チャートですが、VOOが設定された2010年9月からこれまでの「上昇率」を表しています。

VOOは図から見えにくいですが+327%となっていて、VYMの+187%を大きく上回る結果に。配当金を考慮せずに単純な株価の値上がりだけを考えた場合、VOOの方が資産形成において有効だと言えそうです。

年間分配金の推移と配当利回り

VOOとVYMは保有していると4ヶ月毎に分配金を受け取ることができます。累積分配金を比較するために2011年〜2023年末までの1株当たりの年間分配金を下の表に書き出してみました。

配当利回りの計算方法

過去の株価はVanguard公式サイト(VOO/VYM)、配当金についてはDividend.com(VOO/VYM)を参考にし、以下の方法で算出しています。

  • 配当金:1年間(3・6・9・12月期)の配当金の合計
  • 利回り:配当金を年始の株価(毎年1月最初の営業日の終値)で割ったもの

VOOの年始株価/年間分配金/配当利回り

VYMの年始株価/年間分配金/配当利回り

2011年始めに投資した場合のシミュレーション

もしも2011年の最初の営業日にVOOとVYMに100万円投資し、2023年末には株を全て売却した場合の売却益と累積配当金はどうなっているのか?シミュレーションをしてみました。

実際にはETFは投資信託と違い100万円分ちょうど買うことはできませんが、ここでは比率で計算しています。

ちなみに投資信託を選ばずにETFへの投資をするのは、NISA枠を消費して資産形成の効率を落とすことに繋がります。それを理解してETFを選ぶということは、「配当金は使う」と考え、ここでは再投資は考慮していません。

シミュレーションの条件
  • 2011年年始に100万円を一括投資
  • 配当金は全額使い、再投資はなし
  • 1$=140円で計算(100万円=約7,142$)

VOOのシミュレーション結果

VOOは2011年の年始株価が116.70だったので、100万円分(1$=140円で計算)購入したとすると、61.2株購入できました。(※実際には小数点分は購入できません)

これを2023年末まで放置した場合にどうなるか見てみます。ちなみに2023年末のVOOの株価は436.63でした。

2011年始にVOOを100万円分購入して2023年末に全て売却していたら…

上記の結果から2011年始に100万円分VOOを一括購入し、2023年末までの12年間保有してから株を全て売却した場合の売却益と累計配当金は以下の通りとなりました。

ちなみに2011年当時はNISA制度はありませんでしたが、今後のために「もしも」として計算しています。

2011年始にVOOを61.2株購入していたら…

売却益
累計配当金
2011年始2023年末
株価116.7436.63
評価100万円347.1万円
  • 課税後利益:約218.4万円
  • NISA枠利用:約274.1万円
累計配当金額円換算
3,524.751$約49.3万円
  • 課税後利益:約35.4万円
  • NISA枠利用:約44.4万円

※米国株の課税計算はDMM株を参照

VOOへ100万円投資して12年放置した場合の課税後利益(2011〜2023年)

上に書いたシミュレーションから2011年の年始にVOOへ100万円を一括投資した場合の結果を、特定口座とNISA口座に分けて記載します。

ちなみに下記は全て課税後の利益で、純粋な手取り額になります。

100万円が12年間で特定口座なら約353万円に、非課税のNISA口座であれば約411万円に増えた結果になりました。

米国株が絶好調だったとはいえ素晴らしい結果ですね。




VYMのシミュレーション結果

次に同じやり方でVYMの計算をしていきます。

VYMは2011年の年始株価が42.53だったので、100万円分(1$=140円で計算)購入したとすると、168株購入できました。(※計算しやすいように小数点以下は切り上げました)

これを2023年末まで放置した場合にどうなるか見てみます。ちなみに2023年末のVYMの株価は111.60でした。

2011年始にVYMを100万円分購入して2023年末に全て売却していたら…

上記の結果から2011年始に100万円分VYMを一括購入し、2023年末までの12年間保有してから株を全て売却した場合の売却益と累計配当金は以下の通りとなりました。

ちなみに2011年当時はNISA制度はありませんでしたが、今後のために「もしも」として計算しています。

2011年始にVYMを168株購入していたら…

売却益
累計配当金
2011年始2023年末
株価42.53111.60
評価100万円262.5万円
  • 課税後利益:約129.5万円
  • NISA枠利用:約162.5万円
累計配当金額円換算
5,301.6$約74.2万円
  • 課税後利益:約53.2万円
  • NISA枠利用:約66.8万円

※米国株の課税計算はDMM株を参照

VYMへ100万円投資して12年放置した場合の課税後利益(2011〜2023年)

上に書いたシミュレーションから2011年の年始にVYMへ100万円を一括投資した場合の結果を、特定口座とNISA口座に分けて記載します。

ちなみに下記は全て課税後の利益で、純粋な手取り額になります。

100万円が12年間で特定口座なら約282万円に、非課税のNISA口座であれば約329万円に増えた結果になりました。




VOOとVYMの投資成績に差がついた理由

上記の結果から2011年〜2023年末に投資した場合は、VOOの方がVYMへの投資よりも良い結果となりました。特に100万円の投資に対して、リターンが70〜90万円近く違うのには驚きました。

これだけみると圧倒的にVOOへ投資した方が良いと言えます。

私なりにVOOがVYMを大きく上回った要因を簡単に以下にまとめてみました。

VOOの方がVYMより資産が増えた理由
  • 米国株の配当金は米国で10%課税される(それに対して売却益には課税なし)
  • 2008年のリーマンショック以降、ハイテク株が大きく上昇した期間だった
  • VYMにはハイテク株がほとんど含まれていない

このように今回のシミュレーション期間ではVOOに多く含まれるハイテク株が、優劣の差に大きく影響したと思います。

今後の投資を考えた場合、このハイテク株の上昇が続くのか?を考えるのが大事になりそうです。私自身はハイテク株の上昇がまだまだ続くと考えているため、新NISAではVOOを買い増ししていこうと考えています。

とはいえ未来は分からないため、VYMの安定した配当金も魅力的です。自分で考えて納得した投資先を見つけていきたいですね。

まとめ

VOOとVYMのどちらに投資した方が良いのか?2011年〜2023年末の過去の結果から考察してみました。

以下は2つのETFに100万円投資した結果ですが、圧倒的にVOOの方が有利な結果に!

未来は分かりませんが現時点ではVOOが有利なので、VYMへ投資する場合は、売却タイミングが難しいと感じる場合やどうしても配当金が欲しい場合に限られそうです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA