- 新NISAで買える米国債券ETFは?
- AGG、BND、TLT、EDV、VGLTの投資対象などの比較
- S&P500暴落時のリスクヘッジになるETF
- 長期資産形成に債権は必要か
この記事では2024年に開始された新NISAで買える米国債券ETFはどれか?それから5種類の米国債券ETFとS&P500のチャートを比較しながら、株価暴落時のリスクヘッジになるETFはどれか考察しています。
ちなみに新NISAで購入できる米国債券ETFは結論から言うと、EDVのみでした。
新NISAで米国債券ETFの購入を検討している場合は、EDVを購入するしかないようです。他の米国債券ETFとの違いなどを比較しているので、参考にしていただければと思います。
新NISAで購入可能な米国債券ETF (成長投資枠) | |
---|---|
AGG | ✕ |
BND | ✕ |
TLT | ✕ |
EDV | ◯ |
VGLT | ✕ |
米国債券ETFの経費率・分配金・利回り
設定日・純資産額・投資対象
ティッカー | 運用会社 | 設定日 | 純資産額 | 投資対象(連動) |
---|---|---|---|---|
AGG | ブラックロック | 2003年9月26日 | 約1,000億$ | 投資適格債券市場全体 (国債、政府関連債、社債、MBS、ABS、CMBS) |
BND | バンガード | 2007年4月10日 | 約1,040億$ | ブルームバーグ総合債券指数に連動を目指す |
TLT | ブラックロック | 2002年7月26日 | 約476億$ | 償還期間が20年を超える米国債 |
EDV | バンガード | 2007年12月10日 | 約30億$ | 償還期間が20〜30年の米国国債 |
VGLT | バンガード | 2009年11月23日 | 約100億$ | 償還期間が10年以上25年未満の米国債 |
各債券ETFの純資産額や投資対象などをまとめています。AGG、BNDは共に純資産額が1,000億$(日本円で約14兆円)を超えていますね。
大人気の投資信託である「eMAXIS Slim 全世界株式インデックス(オール・カントリー)」の純資産額が約2兆円ですから、そのすごさがよく分かります。
新NISAで購入可能なEDVの純資産額は最も少ないですが、日本円で400億円以上。償還の可能性は低そうですが、なぜこれだけ買えるようにしたのかは謎です…
経費率・分配金・利回り
ティッカー | 経費率 | 分配月 | 株価 | 直近配当利回り |
---|---|---|---|---|
AGG | 0.03% | 毎月 | 98.17 | 3.45% |
BND | 0.03% | 毎月 | 75.80 | 3.47% |
TLT | 0.15% | 毎月 | 94.62 | 3.94% |
EDV | 0.06% | 年4回 | 75.62 | 3.90% |
VGLT | 0.04% | 毎月 | 59.23 | 3.85% |
経費率が最も高いのはTLT。またEDVのみ分配金の支払いが年4回となっています。
2024年2 月時点で米国債券は歴史的な大暴落中。超円安といえど、かなり割安に感じる株価になっています。
米国債券ETFは株価下落時のリスクヘッジとして役立つ?
画像引用:Tradingviewアプリ
画像は米国株の代表的な指標であるS&P500に連動するETFであるVOOと米国債券ETF5種を比較した5年チャートです。
AGGとBNDは米国の長期金利が大きく上昇してもそこまで大きく株価を下げていないように見えます。
一方でTLT、EDV、VGLTは金利の影響を大きく受けて2020年のコロナショック時は大きく上昇していますが、2022年からの利上げによって暴落しています。
これを見ると株価の暴落時はFRBが金利を下げてきますから、株価の暴落に対するリスクヘッジとして米国債券ETFの購入を検討する場合は、TLT、EDV、VGLTを購入しておいた方が良さそうです。
20年以上投資するなら債券ETFは不要かも?
画像引用:Tradingviewアプリ
債券ETFは20年以上の長期資産形成をする場合は不要かもしれません。こちらは2008年以降のVOOと米国債券ETFの比較チャートですが、長期になる程圧倒的に株式の方がパフォーマンスが高くなっています。
もちろん株価の乱高下が精神的に良くないと考えるのであれば別ですが、個人的には株価の暴落があった場合には債券ETFは全て売却し、長期の資産形成には株式か合っているように感じます。
新NISAの成長投資枠で買えるのはEDVのみ
このページの最初に記載した通り、新NISAの成長投資枠で購入できる米国債券ETFはEDVのみです。
EDVは米国の政策金利の影響を大きく受けやすいため、超長期の資産形成においては株式よりもかなりリターンが悪くなってしまう可能性が高いです。
そのため新NISAでEDVを買う場合は、今後米国の暴落が起こり、政策金利が一気に引き下げられたタイミングでうまく売却することを前提に購入するのが良いように感じます。
タイミングを読むのが難しいと考える場合やあまり値動きはしなくても安定的なインカムが欲しい場合は、新NISA枠では買えませんがAGGやBNDを購入していきましょう。